テニスボールをラケットで打ったときにスピン回転をかけるメカニズムには二つ有ると考えています。
  • ガット面でボールをこすることで回転をかける
  • 打球時にボールを潰すことで、ボール自身の形状復元力で回転をかける
前者によるスピン回転をかけかたが一般的に考えられていることでしょう。後者についてはもう少し説明しましょう。

1番目の図ではラケットの進む方向とボールの重心の位置が重なります。このように打球した時にはボールは無回転、いわゆるフラットの状態で飛んでい くことになります。2番目の図ではラケットを傾けることで重心からややはずれた位置でラケットとボールが接することになります。ボールを押そうとするベク トルに対して重心がずれていることによってボールへのトルクが生まれます。これがボールが回転する原理になります。そしてさらにボールを強打するとどうで しょう。ボールはガットによってつぶされて、ボールとの接点は先程よりも重心から遠い位置になってきます。このことはより大きなトルクを得ることにもなる でしょう。その結果スピン回転の量も増大すると考えられます。

強烈なスピンボールを打つために必要なこと、それはボールをこするスピード上げることではなく、ボールを大きく潰すことであることがなんとなく見えてくるのではないでしょうか。